建築学科では図面以外にもスケッチ・パース・敷地図・模型写真・ダイアグラムなど様々なイラストやグラフィックを描く必要があります。
そしてこうした特殊なイラストを書くためには、WordやExcelといったWindowsに初期搭載されているソフトとは別の、デザイナー用のソフトを使うことがほとんどです。
幸い、下記記事で紹介したようなCADソフトの群雄割拠にくらべれば、
プレゼンテーションや発表のためのソフトはほぼAdobe社のソフトウェア一強といって良い状況です。
この項目ではAdobe社の代表ソフトであるIllustrator・Photoshop・InDesignを中心に、建築学科のためのグラフィックソフトの紹介を行いたいと思います。
1.Adobe社
デザイナーや建築家が愛用するソフトの一つに、Adobe社が開発した一連のソフトウェアがあります。
グラフィックデザイナー、アニメーター、写真家、動画製作者、彫刻家etc…
およそクリエイティブと呼ばれる職についているあらゆる人間の創作活動をサポートするソフトウェアの開発・販売を手がけており、近年では人工知能の開発にも力を入れるなど、クリエイターとは切っても切り離せない存在です。
Adobe社の開発するソフトは極めて多岐にわたりますが、代表的なのは前述の通り「Illustrator」「Photoshop」「InDesign」の3つです。
本記事では、この3種類のソフトについて紹介します。
1-1.Illustrator
価格(学生版):月1,058円/年12,700円
価格(通常版):月2,678円/年28,252円
特徴:
「Illustrator」が特に得意とするのは、町中にあふれるロゴマークやチラシデザインなど、およそ「グラフィックデザイン」と呼ばれる領域の作業です。
建築学科の課題では、主に地図やグラフといったダイアグラムの作成、図面の加工・着色、プレゼンボードの作成などに用いることになります。
Illustratorは汎用性の高いソフトで、多くの仕事がこのソフト一本でできる点に強みがある反面、各機能の専門性が低く、どうしても同社が販売する「Photoshop」や「InDesign」の下位互換な側面が否めません。
(例えば図面の加工はPhotoshopのほうが、プレゼンボードのレイアウトはInDesignのほうがすばやくキレイに作成できます。)
そのため個人的には、CADやPhotoshopに比較して学習の優先度はさほど高くないと感じています。
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▼購入(学生版年間プラン)
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1-2.Photoshop
価格(学生版):月1,058円/年12,700円
価格(通常版):月1,058円/年12,700円
特徴:
イラストの作成や写真の加工によく用いられるグラフィックソフトです。
建築学科では前述の通り図面の着色・加工に用いられる他、模型写真の修正・レタッチや建築パースの作成など幅広く利用されます。
扱いに癖があり、特に「範囲選択」と「レイヤーマスク」機能の扱いになれるまでは、いまいち便利さが分かりにくいソフトです。
が、一度使い始めれば絶対に手放せない、グラフィック系デザインの必須のソフトです。
関連記事:
–Photoshopの「範囲選択とマスク」こそ、建築パーステクニックの基礎にして奥義【範囲選択・アルファチャンネル・マスク】
▼できること 一例
▼購入(学生版年間プラン)
Adobe Creative Cloud フォトプラン(Photoshop Lightroom)|学生・教職員個人版 |12か月版|オンラインコード版 新品価格 |
1-3.InDesign
価格(学生版):単体プランは無し。後述のコンプリートプラン参照。
価格(通常版):月2,678円/年28,252円
特徴:
Illustratorに似たソフトですが、ポスターや名刺など一枚物のデザインに特化したそれと違い、書籍やパンフレットなど複数ページ必要なエディトリアルデザインに用いられるソフトです。
建築学科ではポートフォリオ作成や論文執筆に用いられます。
Illustratorよりグリッド作成や図版挿入など、レイアウト周りの操作が非常に快適であるため、人によってはプレゼンボード作成など一枚物のレイアウトであってもInDesignを用いる場合もあります。
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1-4.コンプリートプラン
Adobe Creative Cloud コンプリート 2017年版|学生・教職員個人版|12か月版|オンラインコード版 新品価格 |
価格(学生版):月2,138円/年25,660円
価格(通常版):月6,134円/年71,020円
特徴:
上記の3ソフトを含むAdobe社が開発した30を超えるソフト・アプリが扱えるコンプリートプランというものが存在します。
つまり事実上、ソフト2つ分の価格で全ソフトを使い放題であるということです。
もしあなたがIllustratorとPhotoshopしか使わないのだとしても、コンプリートプランでの購入とかかる料金は同じなので、両方別々に契約している人は、ぜひコンプリートプランでの再契約を考えてください。
購入方法
上記3ソフトの購入方法は、3つあります。
第一に、公式サイトから購入するケース。
第二に、Amazonから購入するケース。
最後に、各大学の生協を始めとする店舗でライセンスを購入するケース。
基本的に、Amazonで購入するのが最も安くなります。
が、購入プランのバリエーションが一番豊富なのがAdobe社公式ページでの契約です。
クレジットカードがない方は、3番目の方法になります。
以下、初心者がいだきやすい購入の疑問をQ&A形式でまとめてみました。
adobeグラフィックソフト 購入Q&A
・初期料金・入会費用・別途料金は?
→無し。毎月の支払いか、12ヶ月分一括払いの2つ。
・どのプランがおすすめ?
→Illustrator、Photoshopのどちらかしか使わないならそれぞれのプランを、両方使うならコンプリートプランがおすすめ。月2000円でIllustrator・Photoshop含めた30種類のソフト・アプリが使い放題となる。
・毎月払うのが嫌なんだけど、パッケージ版はないの?
→すでにパッケージ販売は行われていない。どうしてもパッケージ版がほしいなら海賊版か中古販売のみ。(但し、店頭での中古販売も禁止されている)
すでにパッケージ版は3年以上前のソフトなので最新版をダウンロード購入することを推奨。
・どこで買える?
→主に以下の3通り
- 公式サイトからダウンロード
公式サイトはこちら- Amazonで購入
一年分一括購入ができる。一括購入のほうがひと月あたりの値段は安く変える。他、Amazonでの購入ならamazonのキャンペーンやセールが適応される。- 店頭のソフトウェアダウンロードカードを購入
ディスクでは売っていないので、ライセンスコードを購入しAdobe Creative Cloudで新規登録・サインイン、その後ライセンスコードを入力しダウンロードする。
等の方法が挙げられます。
おすすめ書籍
下記のページにて、IllustratorやPhotoshopの扱い方に関する書籍をまとめてますので、ご査収ください。
2.無料ソフト
基本的にはグラフィックソフトといえば上記Adobe社のIllustratorとPhotoshopが有名ですが、類似機能を持ったフリーソフトも存在します。
Illustratorの類似ソフトとしてInkscapeが、
Photoshopの類似ソフトとしてGIMPが、
対抗するフリーソフトとしてあげられています。
機能としてはフリーソフトと言えども有料ソフトに引け劣らず、関連書籍もそれなりの数出版されています。
3.三次元CGソフト
こちらのページでも紹介した3dsMAXおよびSketchUpといった3次元CGソフトについての解説です。
これらは設計用のソフトウェアというよりは、建築空間を表現するためのモデリングソフトといったほうが正確なので、こちらでも改めて紹介します。
3-1.SketchUp
価格(無料版 ) :無料
価格(Pro版):127,440円(追加機能多数)
機能:3次元CG
シェア:最も手軽な3次元モデリング作成ソフト。建築だけでなくインテリア・映像作品・漫画の背景にいたるまで使われている。同じく無料のJwcadと併用して使う学生が多い。
あくまで3次元CADではなく3DCGソフトなので、図面からモデルを立ち上げたり、モデルから図面を書き起こすなどはできない。有料版ではCADで描いた図面を取り込むことができるなど複数機能追加。
おすすめ書籍:
3-2.3ds MAX
価格(学生版):無料
価格(通常版):月32,400円/年254,880円
機能:3次元CG
シェア:AutoCADと併用して利用されることの多い3次元グラフィックソフト。やはり大手設計事務所で利用されている。
豊富なプラグインとサポートネットワークが特徴だが、AutoCAD同様必ずしも建築設計に特化した内容ではない点に注意。
公式サイト:3ds MAX
おすすめ書籍:
▼イラレ・フォトショ・各種CAD 建築学科生向けソフトの一覧はこちら