建築学科ごっことは?

ノートPCとデスクトップPC、建築学生におすすめなのはどっち?

初めてPCを持つ学生から、
「デスクトップとノートPC、どっちがおすすめなの?」
という質問を受けたりします。

この質問をする人というのは、多くの場合下記の2つの「わからない」を抱えています。

  • PCにはどんな種類があり、それぞれどんな違いがあるのかという知識がない
  • 大学で自分がPCをどのように使うかのイメージが想像できていない

この記事ではまず、記事前半で前者の悩みにお答えして、ノートPCやデスクトップPC、あるいはそれ以外の端末の特性をわかりやすく紹介します。

また記事の最後では後者の悩みである「自分が何にPCを使いたいのか決まっていない」という課題に焦点を当て、建築学科でのPC利用シーンやあなたのスキル・目的に合わせたPCの購入プランを紹介したいと思います。

形態別 PCの種類

はじめに、PCの形体について情報を整理しておきましょう。
一般にはPCといえば「デスクトップパソコン」「ノートパソコン」の二つばかりが取り上げられがちですが、それぞれに微妙な派生があることから、そうした事例も踏まえたメリットデメリットの比較をしていきましょう。

据置型のPCの種類

はじめに、持ち歩くことを意図していないタイプのパソコン、いわゆる「据え置き型」のPCについて紹介します。

よく

  • 「デスクトップPC=高い」
  • 「ノートPC=安い」

と勘違いしている方がいるのですが、一般に性能が同じであれば
「大きなPCの方が値段は安い」
という傾向にあります。

そのため、PCの利用目的がはっきりしていて、少しでも性能のいいPCを少しでも安く買いたい方は、デスクトップPCを買うことをお勧めします。

デスクトップPC(タワー型)

その名の通り卓上で利用するPCです。

一般にデスクトップPCを買う際は、本体とは別にキーボードやディスプレイを購入する必要があります。
もちろんキーボードや画面も含めてセット販売しているPCもたくさんありますが、
「画面にはお金をかけたくないけどキーボードには拘りたい」
など、使い手の細かい希望やこだわりにも対応できる点が大きな魅力と言えるでしょう。
よりスペックにこだわりのある人ならば、自分でPC内部を開けてメモリやGPUの増設・カスタマイズも行えます。

またノートPCのような軽量化やコンパクト化をする必要がないことから、同程度のスペックであればノートPCなどに比べて比較的安い金額で購入できる点も大きな魅力です。

想定購入者層

デスクトップPC(タワー型)
低価格
(5.0)
スペック
(5.0)
コンパクト
(1.0)
総合評価
(5.0)

数万円代の家庭用から、10万円以下のビジネス用、20万円近くするクリエイター用と、幅広いラインナップが揃っています。
カスタマイズ性の高さも合わせて、目的にあった一台をじっくり選べるタイプのPCと言えるでしょう。

デスクトップPC(スリム型)

デスクトップPCの中には、大きくて無骨な本体に高機能なパーツを組み込んだ性能重視のものと、本体の大きさをコンパクトにしデザイン性を高めたものがあります。
前者をタワー型、後者をスリム型などと読んで区別します。

スリム型のものは、ノートパソコンほどではありませんが排熱設計やコンパクトかに設計料がかかることから、おなじ値段で買えるタワー型のPCよりも低スペックなものになりがちです。

想定購入者層

デスクトップPC(スリム型)
低価格
(3.0)
スペック
(3.0)
コンパクト
(3.0)
総合評価
(3.0)

性質上、それほどハイスペックなものは出回っておらず、かといって持ち歩けるわけではないというところから、多くはビジネスマン向けのものになっています。

「これまで一度もPCを使ったことのない一年生が、初めてPCを触るために勉強用に購入する」
などのケースであれば、こちらのスリムタイプのデスクトップは非常におすすめです。

一体型PC

画面と本体が一つに集約されたタイプの据置PCです。

街の家電量販店にいくと非常にたくさん陳列されていますが、拡張性の低さや値段の割高さ、そして何よりスペックの低さから、大学生で利用している人はほとんどいないのではないでしょうか?(iMacは除く)


想定購入者層

一体型PC
低価格
(1.0)
スペック
(3.0)
コンパクト
(3.0)
総合評価
(2.0)

見た目にもスマートで場所も取らず、TVも兼ねるということから、
「4人家族の共用PC」
といった家庭用のPCとして人気がある印象です。

十万円以上する極めて値段が高いものが多い反面性能は軒並み低いため、学生には全くお勧めできません。

持ち運びPC

つづいて、持ち運びできるタイプのパソコンについて解説します。

持ち運びPCの最大のメリットは、据置型PCに比べて使い方の自由度が高い点でしょう。
自宅、大学の講義室、製図室、通学の電車中、大学近くの喫茶店など、あらゆる場所での作業が可能であるため、
「購入当初は想定していなかった使い方」が登場しても、対応しやすいという点に大きな強みがあります。
(逆にデスクトップは、「自宅でしか使うつもりがなかったけど、大学に通い始めたらやっぱり製図室でも使いたくなった」などに対応しづらいです)

そのため、入学したばかり・課題が始まったばかりで「PCを何のために使うか見通しが立っていない」という方は、すこし予算が加算でも持ち運びが可能なPCを購入することをお勧めします。

ラップトップPC(ノートPC )

皆さんもお馴染み、画面と本体とキーボードが一体となった携帯性に優れたタイプのPCです。

一般にノートパソコンの方がデスクトップより割高になります。
なぜなら、同じ性能ならノートPCの方がよりコンパクトかつ頑丈に設計しなければならない分、開発費が多くかかるからです。

ただし、一体型PCや後述の2 in 1などに比べれば量産化しやすく開発費も抑えられることから、デスクトップ型にくらべて致命的にコスパが悪いというわけでもありません。

想定購入者層

ノートPC
低価格
(3.0)
スペック
(3.0)
コンパクト
(5.0)
総合評価
(4.0)

デスクトップと同じく、入門向けからプロ仕様まで幅広いラインナップが揃っています。

GPUも搭載したハイスペックなゲーミングノートパソコンなど、建築学科でも建築業界でも十分な性能を持つものも数多く出回っています。
逆に、光学ドライブやテンキーなどの機能を削ぎ落とし、とにかく軽量・コンパクトを目指した「ウルトラブック」と呼ばれるモデルも存在します。

値段や利用目的、あなたのPC習熟度に応じて適切なものを選ぶ必要が出てきます。

2 in 1型PC

テレビや電車内の広告で時々見かける
「タブレットにもノートPCにもなる」
みたいなタブレットです。
(実質的には「タブレットにキーボードが付属している」が正確な表現だと思います。)

お洒落でスマートなデザインから購入する建築学生も多いのですが、ここまで読んでくださっている方なら分かる通り、性能に対して値段が釣り合っていないものがほとんどです。

まともなノートPCとまともなタブレットを別々に購入した方が、遥かに快適だと思います。

想定購入者層

ノートPC
低価格
(1.0)
スペック
(1.0)
コンパクト
(5.0)
総合評価
(2.0)

極めて身もふたもない言い方をすると
「PCを性能ではなくデザインや話題性で選ぶタイプの人」
をターゲットとしているため、スペックはそれほど高くないものが多いです。

よく「デザイン性に拘りたい人向け!」との謳い文句がついていたりしますが、
デザイナー・クリエイター志望に向いているかどうかは別問題なのでご注意ください。

「低価格」vs「多機能・便利」vs「軽量・コンパクト」

ここまでご覧いただいて分かる通り

  • 低価格・高コスパ
  • 高性能・ハイスペック
  • 軽量・コンパクト・スリムなデザイン

の3つは概ねトレードオフの関係にあり、すべてを同時に満たすPCというものは存在しません。

たくさんの機能を搭載すればその分PC本体の大きさや重量も大きくなり、それを省スペース化すればどうしたって開発コストが掛かります。
また、なるべく小さく軽くと余分な機能を削ぎ落としていくと、あとからその機能が欲しくなって、結局別売りの外付け機器を買う必要が出てきたりもします。

なのでPCを購入する際は、この3つのうち少なくともどれか一つは捨てなければなりません。
PC選びでまず必要なのは、「どこで妥協できるか?」を決めることだと思います。

性能を妥協する

まだPC初心者で、せいぜいオンライン授業を視聴したり大学のレポートを作成したりする程度であれば、

  • 持ち運びにも便利でそこそこの性能のお洒落なノートPCやタブレット端末
  • あるいは一人暮らしでも場所を取らないスリム型のデスクトップPC

などがおすすめです。

デザイン性・コンパクト性を妥協する

一方、なるべく安くていい性能のPCが必要となると、必然的に大きくて重たくて無骨なPCを選ぶことになります。

実際、価格ドットコムなどで条件検索をかけて調べると、お世辞にも見た目がかっこいいとは言えないPCが上位に来がちだったりします。
あれは別にPCオタクのセンスがダサいのではなく、かっこいいPCは割りに合わないのです。

価格を妥協する

性能が良く、それでいて見た目にもかっこいい、かつコンパクトなPCが欲しいといった場合は、当然値段も高くなります。

上記に当てはまるPCの代表はMacBook Proで、建築学科のBIM設計やレンダリングに耐えうるものを購入すると20万円程度の予算が必要になるでしょう。

初めてPCを買う建築学生は、まずMacBookで相場を把握するのがいいと思う

まとめ:ノートPCが持つ、隠されたもう一つのメリット

さてここまでの記事で、

  • PCにはどんな種類があり、それぞれどんな違いがあるのかという知識がない
  • 大学で自分がPCをどのように使うかのイメージが想像できていない

という二つの「わからない」のうち、前者について解説してきました。

しかし本質的に問題なのは、二つ目の問題である
「大学でのPC利用の見通しが立たない」
点の方だったりします。

なぜなら、同じ大学の同じ学科に進んだ先輩の知り合いでもない限り、ほとんどの高校生にとって「入学後にどんなPCが必要になるのか」を予測することは困難だからです。

本来PC選びというのは

  • 自分の実力・PCスキル
  • その大学のカリキュラム
  • 自宅や大学、通学圏内のカフェなども含めたPC利用環境
  • 自分が建築学科で目指す将来像

などの事前調査を行った上で、妥協できる部分とこだわりたい部分を整理し、予算と相談の上で購入するものです。
しかしこれから初めてPCを買うあなたにとって、こうした調査は難しいというのが実情でしょう。

そこで次善の策として、初めて買うPCとしては
「5-7万円程度のコンパクトな携帯用PC
をお勧めしたいと思います。
(ウルトラブック・タブレット・ビジネス向けノートパソコンなど)

理由は以下の通りです。

  • 理由1:いきなりあまりにハイスペックなPCを購入しても、初心者にはスペック分を使いこなせない可能性が高い
  • 理由2:いきなり高価なPCを購入してしまうと、「買い直し」に心理的抵抗ができてしまい、成長が阻害される
  • 理由3:据え置き型のPCを買ってしまうと、入学後に発生した想定外の利用に対応しづらい
  • 理由4:据え置き型のPCを買ってしまうと、「買い直し」の際に旧PCが邪魔になる

特に重要なのは3つめと4つめの理由です。
値段のことだけを考えれば、デスクトップPCの方が安く買うことができるのですが、その代わりノートPCにはデスクトップPCにはない柔軟性がある点を考慮すべきでしょう。

例えば入学前は「自宅だけで作業するだろう」と考えていたのに、入学してみると授業や製図室や通学の電車中や大学近くのカフェなど、さまざまな場所で利用したいというシチュエーションが出てくるかもしれません。
あるいは、製図室に設置するつもりで大きめのPCを買ったけれど、やっぱり自宅中心の生活に切り替えたいと考えた時、その引越しや自宅への設置作業が手間になるということもあり得ます。

また、将来3年生や4年生になったときにもっと性能のいいPCを買うケースを想定してみましょう。
このとき、新しく買うPCと入学時に買ったPCとの2台持ちとなりますが、

  1. 低スペックノートPC & ハイスペックノートPC
  2. 低スペックノートPC & ハイスペックデスクトップPC
  3. 低スペックデスクトップPC & ハイスペックデスクトップPC

という3パターンを想定すると、あきらかに三つ目のデスクトップ2台持ちは効率が悪いです。
(ノートPCは自宅に2台あってもたいして邪魔になりませんが、一人暮らしの家にデスクトップPCが2台あるとかなり邪魔です。)

もっと言えば、ノートPCをデスクトップPCの代わりとして据置きで利用することは可能ですが、デスクトップPCをノートPCのように持ち運ぶこともできません。

このようにノートPCには
「当初想定していなかった利用のあり方にも柔軟に対応できる」
という大きなメリットがあるのです。

そしてこのメリットは、これから右も左もわからない内にPCを買わなければならなくなった建築学科新入生の悩みと、きわめて相性のいいメリットではないでしょうか?

というわけで、入学時点でPCの利用目的がはっきりしていない、初めてPCを買う学生にとっては、持ち運びが楽で程々のスペックなノートPCを買うことをお勧めしたいと考えています。

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