建築学科ごっことは?

建築学科の学生がなるべくリクルート等を使わずに就活する方法

筆者が大学院に入学した年の春のことである。

新年度の授業オリエンテーションということで、建築コースの学生一同が1つの講義室に集められていた。

学科長教授による新学期の一通りの説明が終わると、突然、どこかの企業の若い社員数名が講堂に入場し、学生全員になにやら書類を配り始めた。

いわく

「ここに名前やメールアドレスや住所をご記入ください。我々の方で、弊社の就活サイトへの仮登録を代行いたします!

とのこと。

「なるほど、世の中には親切な企業があるものだな!」

と感心した筆者は、記入欄には何も書かないまま個人情報保護シールを貼り、白紙で書類を社員の人に提出した。

無論、その就活サービスは利用しないまま、筆者の就活は幕を閉じた。

(下手に情報を記入していれば、その企業の入力係派遣社員の手を不毛に煩わせただけだっただろう。筆者だってたまにはいいことをするのだ。)

閑話休題。

この記事では、大手人材企業のリクルートグループが提供する「リクナビ」およびその劣化コピー事業をなるべく利用せずに就職する方法について解説する。

(上記の前置きは、ただの雑談。断じてリクルート社とは無関係。いいね?

じつは、リクナビやマイナビに登録されている企業というのは、割合で言えば、日本国内企業の1割にすらみたない。*1

ゆえに、この手の求人媒体のみを拠り所に就活を進めるということは、就職候補企業を初めから90%以上失った状態で就活をしているに等しいのである。

そこで、リクナビマイナビの特性・メリット・デメリットを踏まえ上で、非リクナビ依存型の就職活動を行う方法を考察する。

リクルートの正体

勘違いしている人も多いが、リクナビにとって学生は客でもなんでもない

(その証拠に、学生はリクナビを利用するときに1円の金も払っていない。)

リクナビの顧客とは、

「優秀な若者、どっかにいないかなぁ」

と常に頭を悩ませている、会社の人事権を持っている偉い人たちのことである。

各企業は、条件に即した人材を採用するために、大枚をはたいてリクナビから大量の学生名簿を入手する。

自社のホームページで告知するよりも、リクルートに学生の群を適当にかき集めてもらい、その中から条件に合致しない人間を弾いて選別する方が、効率的に目的に沿う人員を大量確保できるからである。

2019年9月6日、厚生労働省はリクルートキャリアに対し、職業安定法に基づく行政指導を実施した旨を発表した。

これにより、同社が独自に計算した「内定辞退率」のデータを大手企業が購入したことが話題となり、学生や大学関係者の不信を買う事態となった。

www.nikkei.com

「学生に対する重大な裏切りである!」

との批判の声も多いが、リクナビというビジネスモデルをよく理解していればあまりに今更な批判と言わざるを得ないだろう。

リクナビとは

「無料で大量に仕入れた学生名簿をパッケージ化して企業に販売する」

サービスなのだから、学生視点からみて搾取的な側面を持つのは、ある種必然である。

「リクルート」を使わない就活とは、つまり何をすればいいのか?

婚活にせよ住まい探しにせよ就職にせよ、マッチングとは極論すれば

(あなたのことを知っている人の数)×(あなたに価値を見出してくれる可能性)

という確率論に単純化できる。

故に、選ばれる側の取れる戦略も大雑把に分ければ

  • 自分を知っている人間の絶対数を増やす
  • 相手の好みに合うように、自分の長所をカスタマイズする

の2つしかない。

学生にとってリクナビのメリットがあったとすれば、この前者を圧倒的に高速化・簡略化してくれた点であろう。

リクナビに頼れば、それがどのような形であれあなたを認知する企業分母の数を底上げすることができた。

(リクナビ登場以前、多数の学生が同時に数十社〜数百社に応募をかけるなど不可能だったはずだ)

就職先は確率で獲得するものなので、「新卒としてパッケージ化されて企業に売られる」ことにもそれなりのメリットがあったのだ。

故にリクナビは大きくその規模を拡大した。

そのリクナビを使わないということは、自分自身の足でさまざまな企業人と交流を持ち、自分自身を営業するということを意味する。

リクルート系サービスを使わない就活とは、これまで半自動的に各企業人事課の視界まで運んでもらっていた恩恵を捨てるというとことに他ならない。

我々学生が思っている以上に、経営陣は

「優秀な若者、どっかにいないかなぁ」

と頭を悩ませている。

そういった大人たちが日頃どこにいて、何を見ているかを把握し、

「ここにいます!」

と、その視界に直接飛び込むことができれば、就活支援サービスに依存することなく就職の糸口をつかむことができる

相手の視界に飛び込むこと。

これがリクルート系サービスを使わずに就職することの大前提である。

リクルートを使わずに就職する8つの方法

無論、さほど奇策があるわけではない。

いま筆者に思いつくのは、せいぜい以下の3つくらいである。

  • 職場にもぐりこむ
  • 大学で網を貼る
  • 業界に人脈を作る

幸い、企業側もリクルートによる採用活動に限界を感じ始めつつあるのか、後述するように企業の採用方法も徐々に多様化の兆しを見せ始めているのだ。

以下順に解説してみる

職場にもぐりこむ

第一にあげられるのは、入社したい企業に直接訪問するという、ごくごく当たり前の手法。

「え?そんなことしたら先方に失礼じゃないの?」

と考える人も多いかもしれないが、企業やその従業員は、学生に対して公式に非公式にある程度接点を用意しているものである。

企業HPの求人から申し込む

入社したい企業や気になる企業がある場合、まずはその企業の公式HPを確認する。

大抵の企業は「採用情報」「recruit」「staff」といったページを設けている。

運が良ければバイト・インターン・新卒採用の募集がかかっているはずだ。

また、採用が終了していたり、そもそも新卒採用を行なっていない企業でも、次回の採用予定や募集要項や就職条件は公開しているところも多い。

どのような経験や資格やスキル(CADとか)が優遇されるかを見ておけば、今後の進路や就職先選びの情報になる。

▼採用情報のページ例(日建設計)

www.nikken.co.jp

ちなみに、新卒募集を行っていなかったり、求人情報が全く載っていない企業も多い。

が、そういった募集をしていない企業にアプローチして採用された学生の話もしばしば聞く。

(中小企業・ベンチャー限定)

勝算もなく特攻しても確実に門前払いだが、勇気と積極性と熱意ある読者は挑戦してみるのもありかもしれない。

バイトやインターンを経由して入社する

アトリエ設計事務所であれば、学生時代にアルバイトとして修行を積み、卒業とともに就職という流れはごく一般的だ。

模型作製のバイトを経て大手ゼネコン正社員への道を開いた学生もたくさんいると思う。

会社側としては、一定期間学生を観察してから面接を組めるので効率がいい。

学生にとっても、会社の雰囲気を見てから入社するので、自分に合わない外れ職場を引かずに済む。

というわけで、小規模事務所から大手設計事務所まで、バイト・インターン経由の正社員登用は昨今のますます存在感を強めている。

 ▼建築系インターン・アルバイトの探し方・始め方

www.gakka-gokko.com

問題としては、上の記事でも書いた通り、そもそもバイト・インターンの門戸が圧倒的に狭いこと。

特に地方の学生ほど不利になりがちである。

例えば大手ゼネコン・大規模設計事務所の模型作成のバイトなどは基本口コミで募集されるので、多くのOBを輩出している名門建築学科に求人情報が集中する。

そのため大企業のバイト・インターンに関しては、地方などの大学の場合、募集情報すら回ってこない可能性も高い。

(例外的に日建設計は恒常的に公式HPの採用情ページで、アルバイトの募集を行っている。)

長期休暇を利用したインターンであれば地方の学生にもチャンスはあるが、会場の7割くらいは東京か大阪会場なので、やはり地方の不利は否めない。

普段から直接社長にファンレターを出しておく

就活の方法としてはあまりに迂遠だが、

「あなたが尊敬する業界人にファンレターを送ってみる」

ところから始めるという方法もある。

「自分は建築学科生です!あなたの本を拝読し感動しました!ぜひ事務所を見学させてください!」
「とある町おこし系雑誌で取り上げられていた貴社の取り組みに関心があります。お話を聞かせていただけますか?」

という形でコンタクトが取れるのは学生の特権である。

基本送っても3割は読まれずゴミ箱送りで、6割は返信が来ないだろうが、10枚送れば1枚くらいは返事があるかもしれない。

その手紙からあなたの熱意を感じ取ってもらえれば、あるいはお茶ぐらいは奢ってもらえるだろう。

奇跡が起きれば、「いま学生バイトを募集してるんだけど」という人に巡り会えるかもしれない。

というわけで、日頃から興味のある企業に、学生として関心をアピールしておくということは、実はそれなりにポピュラーな就活の方法なのだ。

一応念を押しておくが。

これは

「熱意のこもった一枚の手紙が、なにかの縁になることもある」

という趣旨であり、間違っても自分の就職のためにファンレターに偽装した怪文書をばら撒くことを推奨するものではない。

学生の手紙を開封して返信して、実際に会う時間まで設けてくれる人がいれば、その時点で聖人に近い。

経営者はみな一様に多忙なので、くれぐれも先方に失礼のないように。

大学で網を貼る

次に取れる戦略は、大学で企業人の目にとまるのを待ち構えるという戦い方だ。 

企業が優秀な学生を探すとき、当然真っ先に思いつくのは大学(大抵は自身の母校)である。

故に、大学で的確に待ち構えていれば、企業採用担当者の視界に入り込むことはそう難しくない。

大学の求人案内を調べる

どの大学にも就職支援に関する部門が有る。

大抵の場合、建築学生を対象とした求人情報の掲示板も存在するはずだ。

みれば、中堅レベルの設計事務所や材料メーカー、あるいは行政の求人など、地域密着型の求人情報がはられているはずである。

この求人掲示板、筆者の友人では見ている人がほとんどいなかった。

あるいはリクルートサイトに求人広告を載せることすらできない、弱小企業とはなから見くびっていたのかもしれない。

が、企業から直接大学宛に求人を出しているということの意味を冷静に考えてみれば、あれはなかなか美味しい情報なのではないだろうか?

第一に、競争倍率が小さい。

仮にその大学から1人しか雇うつもりがなかったとしても、リクナビで数十倍数百倍の競争を勝ち抜くよりはるかに就職しやすいだろう。

第二に、大学の雰囲気に即した企業である可能性が高い。

大学直々に求人を出しているということは、その企業の雰囲気や求める人材像と、あなたの大学の空気や設計スキルが合致している可能性が高いということで有る。

定期的にこの掲示板を見ては、求人の出ている会社をネットで検索してみて欲しい。

あなたの大学が、どのような企業から求められているかが、なんとなく掴めるはずで有る。

教授の縁故採用

建築学科の大学教授というのは、常に大学の自分の部屋にいるわけではない。

むしろ、所用で不在のことの方が多いくらいだろう。

では彼らは大学の外で何をしているかといえば、学会の発表や調査の他、各企業経営陣や行政を相手とした講演会・勉強会・委員会への指導・顧問・出席などの任に就いている。

平たく行ってしまうなら、大学教授というのはあなたにとっての先生であるだけではなく、あなたが所属したい思っている業界の社長や役人にとっても教員なのである。

畢竟、業界の社長や役人が優秀な学生を欲しいと思ったとき、教授に紹介を依頼する企業があってもおかしくはない。

早い話が、いわゆる教授の縁故採用というやつを狙うのだ。

無論、どの教授がどの程度企業に顔が効き、どの程度学生の推薦・斡旋に積極的であるかは、学生の側からは観測しづらい。

ので、教授と業界のつながりを基準にゼミを選ぶというのは現実的ではない。

あなたの所属したゼミと、あなたの志望職種の方向性が違う場合なども、このルートでの就活はあまり望めないかもしれない。

しかし、就活とゼミで就活を優先するなどの不義理を働いていると、思わぬところで損をすることは十分にあり得る。

要するに、教授と仲良くしとけば何かいいことあるかもよ、という話である。

建設会社主催の説明会・懇談会に参加する

名門と呼ばれる建築学科ではだいたい3回生の秋頃になると、大手設計事務所やゼネコン企画の

  • 就職説明会
  • ポートフォリオ相談会
  • 懇談会

などが開催されている。

もちろん「説明会」とは名ばかりで、その内容は実質就職面接である。

(本当の相談会も無くはないけど)

企業によっては、9月半ばにはすでにOBと繋がりのある学生や教授経由で開催の情報を送ってくるので、早い学生だと12月の時点で内々定(非公式の採用通知)が出てしまう。

俗に言う「青田刈り」というものである。

(採用活動は3月開始が経団連のルール?面接じゃなくて説明会だから問題ないよね?)

曰く、大企業には各大学の卒業生がおり、それぞれゼミやサークルの後輩に対して根を張って「この研究室の学生はどの設計事務所も欲しがるぞ」という目星をある程度リストアップしているとのことらしい。

と言うわけで、いわゆる名門と呼ばれる建築学科に所属している人は、一度先輩やOBに「うちの大学内で、企業の説明会や懇談会ってありましたか?と聞いておくのが良い。 

詳しくは下記の記事に。

就職に強い建築学科のある大学の共通点 – 建築学科ごっこ

業界に人脈を作る

デザイン・情報系学科では在学中からすでに自分のスキルで商売を始めている学生も多い。

そのまま独立・開業する学生もいれば、その時の取引相手のもとに転がり込んだり、就職先を斡旋してもらうケースも存在する。

もちろん学生ごときが異業種交流会に足繁く通い、何百枚と名刺を交換しても無意味なので、それなりの準備と戦略が要る。 

開業する

経営者や事業主は、基本的に経営者や事業主と会いたがる。

だからあなたも開業してしまえば、こういった人種にグッとあいやすくなる。
ただの大学生が企業人と出会ってもお客様扱いであるが、学生フリーランスとして挨拶すれば商売仲間として扱ってもらえる可能性が出てくる。

なので、

  • デザイナー
  • カメラマン
  • WEBエンジニア
  • ライター
  • イベント運営

など、なんでもいいのであなた自身が個人事業主(予備軍)になれば、こうした人種と知己を得やすくなる。

もちろん開業といっても、それで食べていかなければならないとか、国税庁に開業届けを出さねばならないという意味ではない。

大事なのは、他者に金銭を要求できる程度の技能を身につけて、他者に貢献することだ。

特にベンチャー系やアトリエ設計事務所の場合、経営者の人事決定権が圧倒的に強い。

なので社長や所長と友達になると

「君、Photoshop使えるんだっけ?この仕事一緒にやってみない?」

と誘われてそのまま採用されるというケースは、けして主流にはなりえないが、あなたが思っているほど稀なケースでもなくなっている。

 (どの大学の建築学科でも、100人に3人くらいはこうやって就職している人がいるのでは?)

なにより、

  1. 自分の手で営業し、
  2. 成果物を相手に納め、
  3. 報酬を得た

という経験を在学中に積む事自体、就活や建築学科という枠組みを超えて、重要な修養である。

イベントやレクチャーの懇談会に顔を出しておく

都市部を筆頭に、定期的に建築家や経営者による

  • 講演会・レクチャーイベント
  • 勉強会
  • ワークショップ
  • 出版記念イベント
  • ギャラリートーク
  • 設計コンペ授賞式

がどこかしらで定期的に開催されている。

会の内容自体が勉強になるのは当然として、こうしたイベントの中には、追加料金を払って参加できる業界人の懇談会が開催されているものも多い。

学生でも参加可能なものがないか定期的にチェックしてみよう。

懇談会の内容は、会場内での立食パーティーであったり、場所を移しての会食であったり様々であるが、学生でも有名建築家や大企業社員と交流できる貴重な機会である。

特に規模の小さいイベントの交流会では、相手に顔を覚えてもらえるレベルのコミュニケーションを取りやすくなる。

なんでもインターネットで検索できる時代だからこそ、

「実物を見たことがある」

「当事者から直接話しを聞いたことがある」

という経験の価値が相対的に上がっている。

そこで学んだ知見は、仮に最終的にリクルート型の就活をすることになったとしても役に立つだろう。

もちろん勉強会に即効性のある効能は皆無なので、就活シーズンに慌てて参加したところで無意味だ。

なんの準備も調査もして来なかった就活生が、就活シーズン直前に懇談会に参加したところであなたを雇ってくれる聖人は存在しない

基本的に勉強会や交流会という催事は

「互いに価値を提供し合う場」

なので、一方的に恩恵を受けようとする人間に対しては極めて排他的なのだ。

一方で、意欲のある学生を締め出すような器量の狭い人の集団でもない。

基本的に勤勉な人間しか集まらない集団なので、

「自分の無知が辛いので勉強に来ました!なんにもお返しできませんがよろしくお願いします!」

というような学習意欲の高い学生に対してはみな一様に寛容だ。

というわけで参加の際は、たとえ最終的には就活目的であるとしても、

「こんなまちづくり系企業が世の中にはあるのか」

「建築家という人種はこういう物の考え方をするのか」

という発見・学習のために、末席に加えさせてもらうという姿勢を忘れないこと。

一度勤勉で優秀な集団の仲間内に入れてもらえれば、いつの日か報恩のチャンスを与えてくれる日が来るかもしれない。

関連記事

建築学生が業界の人脈を獲得するための3STEP – 建築学科ごっこ

大学属性別、具体的な就職活動の方針 

最後に、上記8種の方法を踏まえ、

「あなたがどのような大学に所属しているのか」

「どのような会社への就職を目指しているのか」

という視点から、就職活動の具体的な戦略を考察してみよう。

都心部・名門大学 × 大手企業志望

名門校に所属しておりかつ大手志望であるならば、

  • バイトやインターンを経由して入社する
  • 大学の求人案内を調べる
  • 建設会社主催の説明会・懇談会に参加する
  • 教授の縁故採用

の4つを視野に入れて行動するのが望ましい。 

上記4つの就職活動の特徴として、実行の難易度があなたの環境に大きく依存している点が挙げられる(特に所属大学と所属ゼミ)。

  • 都心部の大学・もしくは100年以上の歴史がある有名大学の建築学生
  • 体育会系やデザイン系のサークル・もしくは設計ゼミ所属

もしあなたが大手企業の設計職志望で、上記の条件を満たしているならば、リクルートを使わなくても目当ての企業にコンタクトできる可能性が強いので、その大学ブランドをフルに生かして就職してほしい。

地方・中堅大学 × 大手企業志望

上述の通り、大手企業への就職は都心部(東京・大阪通学圏内)や有名大学(100年近い歴史を持つなど)の方が圧倒的に有利である。

それで大企業に入りたい地方学生が取れる戦略を上げれば、

  • 3年時編入・大学院編入を駆使してでも、有名大学・名門大学に入る
  • 普通にリクナビなど就活サービスを活用する

の2択になる。(タイトル詐欺スマン)。 

特に大企業が長期休み中に開催するインターンは、地方学生が東京の大企業に潜り込む最後にして最大の手段なので、リクルートに魂を売ってでも参加するしかない。

中小企業・ベンチャー企業志望

近年では大企業信仰も崩れ、むしろ独創的な事業と確実な成果を上げる中小・ベンチャー企業への就職も注目を集めている。

また、建築学科では昔からアトリエ設計事務所への就職も王道の就職先の一つであるが、これもある意味ではベンチャー企業への就職と言える。

では、規模は小さいが自分が働きたいと思える中小・ベンチャーを発見し就職するためには、何ができるのだろうか?

そのための手段として上げたのが、下記4つの方法である。

  • 企業HPの求人から申し込む
  • 普段から直接社長にファンレターを出す
  • 開業しておく
  • イベントやレクチャーの懇談会に顔を出しておく

いずれも、スキルやバイタリティが豊富で、大人たちから可愛がられる若者が、就活とは無関係に積極的に行っている行為である。
なぜなら、これらの取り組みはあなたのことを認知している大人の数を、元手なしで増やす手段だからだ。

ちなみに、一応中小企業を志望する学生向けとしてあるが、対象企業の社員・社長から直接話を聞くという作戦は、大手企業への就活にももちろん有効である。(いわゆるOB訪問とか。)

総括

記事冒頭でも書いたが、就職とは

(あなたのことを知っている人の数)×(あなたに価値を見出してくれる可能性)

という掛け算で成り立っている。

この原則は、たぶんリクルートを使おうが使うまいが無関係だと思う。

1000人に声をかければ、100人くらいは返事をしてくれるし、

100人と会話すれば、10人くらいはあなたのメンターになってくれるし、

10人の相談相手があれば、理想的な就職先を1つ見つけることはそれほど難しいことではないと思う。

あとは、最初に1000人に声をかける段階で、どのような層にどのように声をかけるかの違いでしかない。

そして、あなたにとって理想的な企業が見つかったとき、その入社に必要なのであれば、リクルートを使うべきだし、

逆に、周囲が使っているとしても、あなたにとって全くその必要がないのなら、リクナビに登録する必要性はまったくない。

*1:日本の法人数は2016年で約385万にたいし、リクナビ登録者数は2016年で約1.5万、2019年でも3万ちょっとしかない。参考:https://www.stat.go.jp/data/e-census/2016/kekka/pdf/k_gaiyo.pdfの5P および https://cocoriku.jp/articles/862

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