初めてPCを買うときの大きな障害となるのが、PCスペックにまつわる専門用語でしょう。
この記事では、PCのスペックの中でも特に重要な単語である
- プロセッサー(CPU/GPU)
- メモリ(RAM)
- ストレージ(HDD/SSD)
の3つの単語を中心に、その意味を紹介していきたいと思います。
▼まとめ記事

PCのスペックを意味する4つの指標
俗に「ハイスペック」という表現がなされるのは、前述の
- プロセッサー(CPU/GPU)
- メモリ(RAM)
- ストレージ(HDD/SSD)
にまつわる性能の高低を指す場合が多いです。
というのもこの4つの数値が、人間で言うところの「頭脳」にあたる部分だからです。
そのため、利用したいソフトの性能に対しこの数値が低すぎると、操作が重くなる、ソフトが動かなくなる、PCがクラッシュするということが頻繁に発生します。
一つずつ順番にみていきましょう。
プロセッサー(CPU/GPU)
PCの演算と制御を司る装置です。
「Intel入ってる?」のキャッチコピーでおなじみIntel社が開発しているのもこのプロセッサーです。
同じくプロセッサーを開発している企業としてはAMD社やNVIDIA社があります。
CPU(中央演算処理装置)
また、よくCPUという単語も登場しますが、これはCentral Processing Unit(中央演算処理装置)の略称で、ほとんどプロセッサーと同じ意味です。
市販のPCに搭載されているCPUの大半はIntel社のもので、
- Core i9
- Core i7
- Core i5
- Core i3
などの種類がありますが、一般に数字の大きいものほど高性能です。
(まれにPentium, Celeronというシリーズが搭載されているものもありますが、極めて性能の低いローモデルです)
また、「ダブルコア」「クアッドコア」などの単語を目にすることもあるかと思います。
これは一つのPCに二つのCPU(クアッドコアなら4つのCPU)が搭載されていることを意味します。
建築学科では、BIMや3Dモデリングを行う場合、こうした複数のコアを搭載しているPCが必要になってきます。
そのほか、CPUの性能を表す数値としてクロック数(単位はHz)もありますが、初心者のうちはあまり気にしなくても大丈夫だと思います。
GPU(Graphic Processing Unit)
ただし、ゲーミングPCやクリエイター向けPCなど、CPUだけでは映像処理が追いつかないような用途のPCを作成するときは、CPUを補助するために「GPU」と呼ばれるもう一つのプロセッサーを搭載することがあります。
GPUはCPUと違って、どんなPCでも必要というソフトであはありません。
大抵のPCでは、CPUがGPUの役割も果たす「内蔵GPU」という形式を採用しています。
特に10万円以下のノートPCには、ほぼ間違いなくGPUは搭載されていません。
(MacBookで言えば、MacBook Airにも、MacBook Proの13インチ型にも搭載されていません。)
建築学科でも、普通のCADソフトで図面を作成したり、プレゼンボードを作成するぐらいであれば特にGPUを気にする必要はありません。

しかし、3Dモデリングや動画処理などのより高次元な創作活動をする場合は、このGPUを意識する必要がでてきます。
厄介なのは、10万円以上もする高価なPCでありながら、GPUの載っていないPCがある点です。
そのため、せっかくBIMやVRエンジニアリングにも手を出そうとハイスペックなPCを買ったつもりが、そのPCにはGPUが載っていなくて、20万円もしたPCが全く役に立たないという自体も発生しうるのです。
本格的なPCを購入したいとお考えの方は、必ずGPUにも注目して購入しましょう。

メモリ(RAM)
「メモリ」という単語から、情報を保管しておける容量と勘違いされがちですが、どちらかと言えば「同時並行で作業する能力」というイメージに近いです。
Youtubeで音楽を再生しながらPDF資料を開きつつ、CADソフトで製図をする、のようにいくつものソフトを並行して立ち上げたとき、この「メモリ」の数値の低いPCだと、PCがいっぱいいっぱいになって動作が遅くなりやすいです。
スペックとしては
- 4GB
- 8GB
- 16GB
- 32GB
の4つが主流です。
4GBはロースペック、8GBはクリエイティブな活動にはやや不足、32GBはかなりハイスペック、ぐらいの感覚でしょうか?
大体の建築学生は8GBか16GBのPCを使っているかと思います。
ストレージ(HDD/SSD)
これは、パソコンで作成した図面データや、ダウンロードしたアプリケーションなどのデータをどのくらい保管できるかという数値です。
単位はメモリと同じく「GB(ギガバイト)やTB(テラバイト)」で、市販のモデルでは
- 128GB
- 256GB
- 512GB
- 1TB
- 4TB
と幅広く揃っています。
メモリやCPUと違い、HDDやSSDはノートパソコンでも外付けが容易なため、優先度は下がります。
(CPUやメモリの増設はPCのネジを外して基盤を取り換える大掛かりな改造が必要ですが、ストレージを増やしたければUSBで接続すればOKなので)
しかしストレージの数値に余裕がないと、前述のプロセッサーやメモリが本領を発揮できないという側面もあるようなので、予算に余裕があれば、より大きな容量をもつPCの購入を検討してみてください。
結局どのデータを見ればいいの?
もちろん、PCの値段や性能を決定する要素は他にもたくさんあるのですが、ひとまず初心者の方は、「プロセッサー・メモリ」の2つの数値に注目してください。
CPUとメモリの性能は車輪の両輪なので、
- CPUは低いけどメモリは大きい
- メモリはしょぼいけどCPUはハイスペック
というPCはまずありません。
また、あるソフトが使えるか否かをもっとも左右するのも、この二つの数値です。
まとめ
さて、一通り単語の意味を理解したところで、次に気になる点は
「どの程度のスペックがあれば、どんなソフトが扱えるのか?」
「そのためには、どのくらいの予算が必要なのか?」
という点だと思います。
それをまとめたのが、下記の表です。

この表を作るうえで必要な知識は、下記の2記事にて紹介しております。
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